バイポーラ電源 製品ラインナップ

~Product information~

バイポーラ電源とは

バイポーラ電源

バイポーラ電源とは、1台でプラス(+)とマイナス(-)の電圧・電流を、継ぎ目(ゼロクロス)なく自在に出力できる高機能な直流安定化電源です。その最大の特長は、一般的な電源が持つ「ソース機能:電力の供給」に加えて、電子負荷のように振る舞う「シンク機能:電力の吸収」を兼ね備えている点にあります。

バイポーラ電源の特徴

バイポーラ電源は、直流電源と違い、以下のいくつかの領域(象限)で動作が行えます。

1象限電源(一般的な直流電源)

私たちが日常で使うACアダプターなどに代表される一般的な直流電源です。この電源は、プラスの電圧で電気を供給(ソース)するという一方向の動作しかできません。

2象限電源

1象限の供給機能に加えて、電気を吸収(シンク)する能力を持ちます。これにより、プラス電圧の範囲内でバッテリーの充電(供給)と放電(吸収)のような双方向の試験が可能になりますが、マイナス電圧を扱うことはできません。

4象限電源(バイポーラ電源)

4象限電源(バイポーラ電源)は、電圧のプラス・マイナスを自在に切り替えながら、電気の供給と吸収をシームレスに行うことができます。この完全な双方向性により、例えばモーターを正回転・逆回転させながら、加速(供給)と減速(吸収)を精密に制御するような、他の電源では不可能な複雑な試験が初めて可能になります。

種類 電圧の極性 電流の向き
1象限電源 プラスのみ 供給のみ
2象限電源 プラスのみ 供給 + 吸収
4象限電源 プラス + マイナス 供給 + 吸収

バイポーラ電源(4象限)

【バイポーラ電源】BWSシリーズ

出力:±18V±15A , ±40V±7.5A , ±40V±15A , ±60V±5A , ±120V±2.5A

4象限バイポーラ電源


電力の供給(ソース)・吸収(シンク)が可能・スタンダードタイプ、定電圧(CV)、定電流(CC)で使用可能。
誘導性、容量性の負荷、磁性材料やDCサーボモータの試験やファンクションジェネレータの電力増幅などに
力率0の負荷でも最大電流で駆動、独立に設定できる4点電圧、電流リミッターや外部接点で出力のコントロールも可能。
標準5台までの並列接続や2台まで直列接続(一部改造必要)可能。
オプションのGP-IBプログラマで、パソコン等からGP-IB制御可能。

バイポーラ電源の仕組み

バイポーラ電源の心臓部は、リニア方式の電力増幅回路です。この回路が、プラス・マイナス両方の電圧出力と、電力の供給(ソース)・吸収(シンク)という双方向の動作を可能にしています。

プッシュプル回路による両極性出力

電力増幅回路は、概念的に2つの部分から構成されています。プラス(+)側の電圧・電流を生成する回路とマイナス(-)側の電圧・電流を生成する回路、これら2つの回路が、「プッシュプル」と呼ばれる方式で連携して動作します。外部からの指令信号(基準電圧)に応じて、プラス側の回路とマイナス側の回路がシーソーのように働き、出力をプラス領域からゼロをまたいでマイナス領域まで、継ぎ目なく滑らかに変化させることができます。

「ソース」と「シンク」の動作について

ソース(供給)

動作電源の内部で生成する電圧が、接続された機器(負荷)の電圧よりも高い場合、電流は電源から機器へと流れ出します。これが通常の電源としての「ソース」動作です。

シンク(吸収)動作

バッテリーやモーターなど、接続された機器側で発生する電圧が電源の設定電圧よりも高くなった場合、電流は機器から電源へと逆流します。バイポーラ電源の増幅回路は、この逆流してきた電流を内部の素子で受け止め、安全に熱として消費するように設計されています。
これにより、電子負荷のように振る舞う「シンク」動作が実現されます。

このように、電流を双方向(ソースおよびシンク)で扱える仕組みをバイポーラ電源は備えています。